更新日:2022-01-13
『土地の名義が先祖代々変更されていない』
『亡くなった祖父名義の土地があるけど、どうすればいいかわからない』
この記事はそのような方向けに書いています。
こんにちは、司法書士の樋口です。
私は東京都新宿区に本社を構える司法書士法人リーガル・ソリューションの代表司法書士で、相続、不動産登記、不動産に関する訴訟手続きをメインに取り扱っています。
家族が所有している不動産の登記簿を見たところ、祖父母や曽祖父母の名義になっていた、ということが往々にしてあります。
例えば、次のようなケースが考えられます。
- 先祖代々住んでいる家を建て替えることになった
- 父母が亡くなったため登記の名義変更をしようとしたところ、土地と建物の名義が違い、片方が祖父母・曽祖父母名義になっていた
長期間名義変更をしていなかった場合には、手続きが難航するかもしれません。
今回は、このような祖父母や曾祖父母名義の土地建物の相続登記手続きについて、親族の方が気になるであろう点を中心に解説しています。
この記事で分かること
不動産の名義は変更しないで放置していてもいいの?
結論としては、今のところ亡くなった方の不動産の名義を変更する義務はなく、放置していても構いません。
ただし2024年4月1日以降は、相続登記が義務化されます。
そのため、亡くなった祖父母や曾祖父母名義の不動産も例に漏れず、2024年4月1日以降は相続人名義に変更する必要があります。
通常であれば、いったん子である祖父母(総祖父母の相続の場合)や父母(祖父母の相続の場合)名義に変更する必要がありますが、長期間相続登記がなされていない場合には、祖父母の相続人も亡くなっているということもあるでしょう。
また祖父母や曾祖父母が亡くなってから長期間経過している場合には、法定相続人や法定相続分の割合が現在の法律と異なる可能性もあるので注意が必要です。
なお、相続に関する法律は何度も改正が行われていますが、基本的には亡くなった当時の規定に従って手続きを進めます。
ここからは、特に断りがない限り、現在の法律(昭和56年以降の規定)が適用されるものとして説明していきます。
相続登記の全体について詳しく知りたい方は『相続登記とは?亡くなった人の不動産の名義変更について法改正点も含め解説』をご覧ください。
相続登記をせずに放置した場合のデメリット
不動産の所有者が亡くなったときは、被相続人から相続人へ、登記の名義を変更する手続き(相続登記)を行います。
名義が祖父母や曾祖父母になっているときは、関係者が何人も亡くなっているにもかかわらず、長期間にわたって登記手続きが放置されている可能性が大いにあります。
本稿執筆時点では相続登記を申請するかどうかは相続人が自由に決めることができますので、手続きをしていないこと自体は違法ではありません。
しかし、登記の名義を変えずに放置していると、様々な弊害が生じます。
以下、登記手続きをしないことによるデメリットをいくつか挙げていきます。
手続きが煩雑になり費用がかかる
登記は、一つの原因ごとに分けて申請するのが原則です。
登記名義人が亡くなり、名義変更の手続きをする前に次の相続が発生した場合には、それぞれについて登記の申請が必要になります。
関連記事:共有持分を相続した場合の相続登記|計算方法や相続人が不存在の場合も解説
また、相続登記の際には、誰が相続人になるのかを確定させるため、戸籍を確認する必要があります。
【必要な戸籍】
・被相続人については、出生から死亡まで、すべての戸籍・除籍・原戸籍謄本
・相続人については、現在の戸籍謄本(抄本)
相続が何回も発生している場合には、亡くなった相続人についても、出生から死亡までのすべての戸籍を揃えなければなりません。
特に被相続人が祖父母や曽祖父母の場合、子どもや兄弟姉妹の人数が今より多く、手続きを放置している間に相続人が何人も亡くなってしまうケースも少なくありません。
何回も相続が発生すると、登記申請の回数や収集する戸籍の量が増えますので、その分費用がかかってしまいます。
相続関係が複雑になり遺産分割協議が難航する
相続人が複数名いる場合、被相続人の財産を誰が取得するかは、基本的には相続人同士で話し合って決めます。
この話し合いのことを、遺産分割協議といいます。
遺産分割協議をしないまま亡くなった人がいる場合には、その相続人が協議をする地位を引き継ぎます。
放置している期間が長くなるほど、何代にもわたって相続が発生する可能性が高くなり、手続きに関与すべき人が増えていきます。
相続が繰り返され、関係者が孫や甥姪になってくると、お互いの面識が一切なく、連絡先さえわからないということも少なくありません。
いざ手続きをしようとしても、このような状態で話をまとめるのは、容易なことではありません。
話し合いがまとまらない、話し合い自体ができないときは、遺産分割調停の申立てをするなど、裁判所に関与してもらって解決を図ることになります。
また、相続人のうちの一人が長年にわたり不動産を占有しているような場合には、時効取得を主張し、他の相続人に対して訴訟を提起することも考えられます。
関連記事:時効取得は難しい?不動産の時効取得について徹底解説
相続登記義務化
最初のほうで、相続登記の申請は義務ではないと説明しましたが、この点について、2021年4月に法改正がありました。
これにより、登記名義人が亡くなった場合には、原則として3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととなりました。
改正法が施行された後に登記名義人が亡くなったときだけでなく、施行前に相続があった場合についても、申請が義務づけられます。
遅くとも2024年4月までには改正法が施行されることになっており、その後は、正当な理由がないのに手続きを怠ると、10万円以下の過料が科される可能性があります。
関連記事:相続登記が義務化|義務化された背景やその他の改正についても解説
相続放棄出来る?
相続登記の義務化は、国が進めている「所有者不明土地問題解消に向けた取組」の一環として行われたものです。
現在、所有者が誰なのかがわからない不動産が全国的に多く存在しており、これが公共事業や民間の取引を妨げています。
このような事態になった大きな要因の一つとして、相続登記の手続きが放置されていることが挙げられます。
特に山林や田舎の土地などは、価値が乏しく売却も難しいことが少なくないため、手間や費用をかけてまで手続きをしたくないと考える人もいるようです。
そこで、登記手続きが放置されるのを防ぐために、相続登記を義務化する法改正と同時に、「相続土地国庫帰属制度」も新設されました。
この制度は、相続や遺贈により土地の所有権を取得した人が、その土地を手放して国庫に帰属させることができるというもので、2023年4月までに運用が始まる予定です。
ただし、手放すことができる不動産は限られており、少なくとも次の条件を満たすものである必要があります。
- 建物が建っていない更地であること
- 担保権や、使用収益を目的とする権利が設定されていないこと
- 通路など、他の人による使用が予定される土地が含まれていないこと
- 土壌汚染がないこと
- 境界が不明確、土地の権利関係をめぐって争いがある、などの事情がないこと
また、制度を利用する際には、10年分の管理費用を納めなければなりません。
現時点で、遺産についての権利を放棄したい場合に取りうる方法としては、次のものが挙げられます。
・家庭裁判所での相続放棄の申述をする
・遺産分割協議で、自分以外の人が取得する旨の合意をする
相続放棄とは、被相続人の財産や権利義務を一切引き継がないとする制度です。
これが認められるためには、原則として、自分のために相続の開始があったことを知った日から3か月以内に、家庭裁判所で相続放棄の申述をする必要があります。
裁判所で相続放棄が認められると、申述をした人については、当初から相続人ではなかったものとして取り扱われます。
被相続人の権利義務のすべてを引き継がないこととする制度ですので、取得したくない財産だけを放棄することはできません。
特定の財産だけを手放したい場合には、遺産分割協議の場で他の相続人と話し合い、自分は取得しないという合意を成立させることになります。
関連記事:やり直し出来る?遺産分割による相続登記(不動産の名義変更)について解説
孫に名義変更する場合の手続きの流れ
事例
Aには子BCがおり、配偶者はすでに死亡している。
Bには配偶者Dと子EFが、Cには配偶者Gと子Hがいる。
Aが死亡したため、遺産である不動産の権利を孫Eに引き継がせたいと考えている。
ケース1 Bが存命のとき
ケース2 Aの死亡後、相続登記手続きをしないうちにBも死亡した
ケース3 Aの死亡以前に、Bが死亡していた
【ケース1:Bが存命の場合】
相続を理由として被相続人から登記名義を取得することができるのは、相続人に限られます。
誰が相続人となるのか、どのような割合で財産を取得するかは、法律で決められています。
法定相続人および 法定相続割合 |
代襲 | 再代襲 | 備考 | |
第一順位 | 配偶者 1/2 子 1/2 |
あり | あり | 子について、複数名いる場合 →それぞれが同じ割合で相続する 嫡出でない子がいる場合 →嫡出でない子の相続分は、嫡出子の1/2となる (※1)(※2) |
第二順位 | 配偶者 2/3 直系尊属 1/3 |
なし | なし | 直系尊属について、 親等が違う場合 →親等が近い人が相続人になる 親等が同じ場合 →それぞれが同じ割合で相続する |
第三順位 | 配偶者 3/4 兄弟姉妹 1/4 |
あり | なし | 兄弟姉妹について、 複数名いる場合 →それぞれが同じ割合で相続する 半血兄弟がいる場合(※3) →半血兄弟の相続分は、全血兄弟の1/2となる |
(スマホでは右にスクロールできます)
※1 「嫡出でない子」とは、法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子のことです。
※2 相続が発生したのが、平成13年7月1日~平成25年9月5日のとき →遺産分割協議や遺産分割調停が済んでいない場合には、嫡出かどうかの区別なく、それぞれが同じ割合で相続します。 相続が発生したのが、平成25年9月5日以降のとき →嫡出かどうかの区別なく、それぞれが同じ割合で相続します。
参考:民法の一部が改正されました
※3 兄弟姉妹のうち、父母の一方のみが同じ人を「半血兄弟」と表現しています。これに対し、父母の双方が同じ場合は「全血兄弟」といいます。
先順位の人がいる場合には、次順位の人は相続人とはなりません。
ただし、同順位の相続人の中で、どのような割合で承継するかについては、必ずしも法律の規定どおりにしなければならないわけではありません。
被相続人が遺言書を残していた場合や、相続人が遺産分割協議を行った場合には、それに従って財産が引き継がれます。
これらの行為がないときに初めて、法定相続分の割合どおりに相続をすることになります。
関連記事:法定相続分による相続登記の流れ|保存行為で単独申請する場合についても解説
ケース1の場合、Aの子BCが存命ですので、Eは相続人にはなりません。
Eに不動産を取得させたい場合には、いったんBやCに相続させたあと、売買・贈与などにより登記名義を変更する手続きが必要になります。
【ケース2:Aの死亡後、相続登記手続きをしないうちにBも死亡した】
ケース2では、①Aの死亡と②Bの死亡という、2回の相続が発生しています。
このように、ある人の死亡後、相続手続きをしないうちに相続人も死亡し、第二次、第三次の相続が発生している状態を、「数次相続」と呼びます。
法定相続分どおりに遺産を分ける場合には、2回の登記手続きが必要になります。
ただし、これは法定相続分どおりに取得する場合の話ですので、遺産分割などにより、これとは違う決め方をすることも可能です。
上の図の場合には、AからEへ、相続を原因として直接に名義を移すことができます。
関連記事:中間省略できる?数次相続が発生している場合の相続登記について解説
【ケース3:Aの死亡以前に、Bが死亡していた場合】
亡くなった人は権利義務を承継できませんので、BはAの相続人とはなりません。
このような場合を想定して、民法には代襲相続の規定が置かれています。
代襲相続とは、本来であれば相続人となるはずの人が、死亡などにより相続権を失った場合に、その人の子らが代わりに相続をすることをいいます。
財産は、通常は血縁の流れに沿って、被相続人→子→孫…と受け継がれていきます。
たまたま子が先に死亡したために、孫が何も取得できないのは不当と考えられたため、代襲相続が認められました。
このような趣旨ですので、代襲相続が起こるのは、被相続人の直系卑属または兄弟姉妹が相続権を失った場合に限られます。
また、代襲相続人が死亡している場合、その人が直系卑属であれば再度、再々度の代襲が生じます。
他方、兄弟姉妹であった場合、血縁の流れが薄くなってしまうため、甥姪の子が再代襲相続人になることはありません。
代襲の理由としては、本来相続人となるべき人の「死亡」「相続欠格」「廃除」などがありますが、「相続放棄」の場合には、代襲相続は起こりません。
代襲相続の場合には、代襲相続人は、相続人としての立場で遺産分割協議に参加します。
相続人に行方不明者がいる場合
何代にもわたって相続が発生していると、全く連絡が取れなかったり、生死がわからなかったりする相続人が出てくることがあります。
本来関与すべき人を除いて遺産分割協議をしても無効ですので、行方不明の人がいると、手続きを進めることができなくなってしまいます。
こうした場合には、例えば、次のような方法を取ることが考えられます。
・不在者財産管理人選任の申立て
・失踪宣告の申立て
不在者財産管理人選任の申立て | 失踪宣告の申立て | |
申立てができる人 | ・利害関係人 (配偶者、相続人にあたる人、債権者など) ・検察官 |
・利害関係人 (配偶者、相続人にあたる人、財産管理人など) |
申立先 | 不在者の従来の住所地または 居所地を管轄する家庭裁判所 |
不在者の従来の住所地または 居所地を管轄する家庭裁判所 |
効果 | 不在者財産管理人が選任される | 被申立人が死亡したものとみなされる |
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行方不明の人(不在者)のために、その人に代わって財産を管理・維持する人のことを不在者財産管理人といい、申立てにより家庭裁判所が選任します。
不在者財産管理人は、不在者の代わりに遺産分割協議や登記手続きを行うことができます。
なお、遺産分割協議に参加する場合には、家庭裁判所の許可を得る必要があります。
失踪宣告は、生死が一定期間わからない人について、法律上亡くなったものと取り扱う制度です。
失踪宣告には、㋐普通失踪と㋑特別失踪(危難失踪)とがあります。
要件 | 死亡したとみなされる時期 | |
普通失踪 | 不在者の生死が7年間わからない | 失踪の日から、7年の期間が満了したとき |
特別失踪 | 不在者が戦争、船の沈没などに遭遇し、 これらの危難が去ったあと1年間、生死がわからない |
危難が去ったとき |
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失踪宣告により死亡したとみなされますので、不在者について相続が開始します。
昭和56年より前の相続の場合
関係者の中に昭和56年より前に亡くなった人がいる場合には、今とは違う規定が適用される可能性があります。
①旧民法 明治31年7月6日~昭和22年5月2日
②応急措置法 昭和22年5月3日~昭和22年12月31日
③新民法 昭和23年1月1日~昭和37年6月30日
④新民法 昭和37年7月1日~昭和55年12月31日
⑤新民法 昭和56年1月1日~現在
①旧民法(明治26年1月1日~昭和22年5月2日)
【家督相続の場合】
「戸主」(今でいう戸籍の筆頭者)が死亡などで交代した場合、1名のみがその地位を引き継ぎます。
誰が承継するかは、大まかにいうと、男性優先、嫡出子優先、年長者優先で決められていました。
【戸主以外の人が亡くなった場合】
遺産相続人 | 代襲 | 再代襲 | 備考 | |
第一順位 | 直系卑属 | あり | あり | 直系卑属について、 親等が違う場合 →親等が近い人が相続人になる 親等が同じ場合 →それぞれが同じ割合で相続する 嫡出でない子がいる場合 →嫡出でない子の相続分は、嫡出子の1/2となる |
第二順位 | 配偶者 | なし | なし | |
第三順位 | 直系尊属 | なし | なし | 直系尊属について、 親等が違う場合 →親等が近い人が相続人になる 親等が同じ場合 →それぞれが同じ割合で相続する |
第四順位 | 戸主 | なし | なし |
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例えば、Aが昭和15年に死亡し、その相続人が配偶者B、長男C、次男Dだったとします。
この場合、Aの財産は、原則として旧民法の規定に従って承継されます。
上記は全て原則論です。
そのため事例によっては相続分や最終相続人が異なります。
②応急措置法(昭和22年5月3日~昭和22年12月31日)
法定相続人および 法定相続割合 |
代襲 | 再代襲 | 備考 | |
第一順位 | 配偶者 1/3 直系卑属 2/3 |
あり | あり | 直系卑属について、親等が違う場合 → 親等が近い人が相続人になる 親等が同じ場合 → それぞれが同じ割合で相続する 嫡出でない子がいる場合 → 嫡出でない子の相続分は、嫡出子の1/2となる |
第二順位 | 配偶者 1/2 直系尊属 1/2 |
なし | なし | 直系尊属について、親等が違う場合 → 親等が近い人が相続人になる 親等が同じ場合 → それぞれが同じ割合で相続する |
第三順位 | 配偶者 2/3 兄弟姉妹 1/3 |
なし | なし | 兄弟姉妹について、複数名いる場合 → それぞれが同じ割合で相続する |
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③新民法(昭和23年1月1日~昭和37年6月30日)
法定相続人および 法定相続割合 |
代襲 | 再代襲 | 備考 | |
第一順位 | 配偶者 1/3 直系卑属 2/3 |
あり | あり | 直系卑属について、親等が違う場合 → 親等が近い人が相続人になる 親等が同じ場合 → それぞれが同じ割合で相続する 嫡出でない子がいる場合 → 嫡出でない子の相続分は、嫡出子の1/2となる |
第二順位 | 配偶者 1/2 直系尊属 1/2 |
なし | なし | 直系尊属について、親等が違う場合 → 親等が近い人が相続人になる 親等が同じ場合 → それぞれが同じ割合で相続する |
第三順位 | 配偶者 2/3 兄弟姉妹 1/3 |
あり | あり | 兄弟姉妹について、複数名いる場合 → それぞれが同じ割合で相続する 半血兄弟がいる場合 → 半血兄弟の相続分は、全血兄弟の1/2となる |
(スマホでは右にスクロールできます)
④新民法(昭和37年7月1日~昭和55年12月31日)
法定相続人および 法定相続割合 |
代襲 | 再代襲 | 備考 | |
第一順位 | 配偶者 1/3 子 2/3 |
あり | あり | 子について、複数名いる場合 → それぞれが同じ割合で相続する 嫡出でない子がいる場合 → 嫡出でない子の相続分は、嫡出子の1/2となる |
第二順位 | 配偶者 1/2 直系尊属 1/2 |
なし | なし | 直系尊属について、親等が違う場合 → 親等が近い人が相続人になる 親等が同じ場合 → それぞれが同じ割合で相続する |
第三順位 | 配偶者 2/3 兄弟姉妹 1/3 |
あり | なし | 兄弟姉妹について、複数名いる場合 → それぞれが同じ割合で相続する 半血兄弟がいる場合 → 半血兄弟の相続分は、全血兄弟の1/2となる |
(スマホでは右にスクロールできます)
費用
登記の際には、登録免許税という税金を納める必要があります。
下の表は、本稿で出てきた登記手続きの登録免許税をまとめたものです。
登記手続き | 登録免許税 |
相続による所有権移転登記 | (固定資産税評価額)×0.4% |
遺贈による所有権移転登記 | 相続人に対する遺贈の場合 →(固定資産税評価額)×0.4% 相続人以外の人に対する遺贈の場合 →(固定資産税評価額)×2.0% |
贈与による所有権移転登記 | (固定資産税評価額)×2.0% |
(スマホでは右にスクロールできます)
ここに記載されているのは、登記申請1件あたりの金額です。
数次相続などで複数の申請が必要になる場合には、原則としてそれぞれの申請について登録免許税がかかります。
ただし、数次相続で一定の要件を満たした場合には、免税となる可能性があります。
登録免許税などの実費に加え、司法書士に手続きを依頼した場合には、その報酬も発生します。
司法書士の報酬は各事務所が自由に決めることができますので、どこに依頼するかによって、支払う金額に大きく差が出ることがあります。
なお、代襲相続や数次相続に関しては、相続関係を確定するのに時間や手間がかかるため、通常の場合よりも報酬を高くしている事務所が多いようです。
関連記事:相続登記の費用はいくらくらい?必要経費と報酬の相場について解説
この記事の執筆者
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東京司法書士会所属 登録番号7208号
東京都行政書士会所属 登録番号第19082417号
司法書士法人リーガル・ソリューション 代表司法書士
行政書士事務所リーガル・ソリューション 代表行政書士
前職の不動産仲介営業マン時代に司法書士試験合格。
都内の司法書士法人に転職し経験を積んだ後、司法書士法人リーガル・ソリューションを設立、同社代表社員就任。
開業以来、遺産相続、不動産登記手続き、不動産に関する紛争の解決(立ち退き、賃貸トラブル、共有物分割請求、時効取得等)に特化。
保有資格は、司法書士、行政書士、宅地建物取引士、マンション管理士、管理業務主任者、競売不動産取扱主任者。
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