競売物件の資料に関して

 

~競売物件の資料に関して~

 

執行裁判所には、一般の買受希望者が閲覧できる競売物件に関する資料が備え付けられてます。
閲覧ができるとき
・土日祭日及び年末年始(12月29日~1月3日)を除く裁判所の執行日である月~金
・時間帯は午前9時頃~午後5時頃まで
・裁判所によっては、昼休憩(正午~午後1時)は閲覧できないところもある
事前に閲覧に行く裁判所に確認するのもよいと思います。
上記の競売手続の流れでも記載したように、平成16年4月1日から、物件明細書の写し等を執行裁判所に備え置く方法に代わるものとして、不特定多数の者が物件明細書等の内容の提供を受けることができるインターネット等で一般に公開する方法も認められていますので、現在はインターネット等でで物件明細書等の内容を知ることができます。
1番初めで説明したとおり、裁判所の競売手続は、債務者や物件の所有者の意思に反して強制的に物件を売却する手続なので、競売物件についての裁判所の資料がとても重要となってくるのです。
特に重要といわれている資料が、通常「3点セット」と呼ばれている 「現況調査報告書」 「評価書」 「物件明細書」 です。

現況調査報告書

 

現況調査報告書とは、執行官が、競売不動産の形状、占有関係、その他の現況について調査した結果の報告書です。
買受希望者にとって競売物件について1番関心があるのは、買受けようとしている対象不動産の占有状況です。
つまり、対象不動産を現在誰が使用しており、その人がどういう人かということです。
競売不動産は、売却され代金が納付されるまでは、現在の所有者が所有しているものとして、債権者を害するような特別な事情がない限り、その所有者や所有者から借りた者(賃借人)が自由に使用することができます。買受希望者は、原則として、買受けて代金を納付し所有権を取得するまでは、競売の対象不動産の占有状況等を、自分で自由に確認することはできません。
そのため、この現況調査報告書の情報は、買受希望者にとっては、貴重な情報源となります。
※ 競売の対象不動産の占有に関する ”裁判所の認定” は、「物件明細書」に記載されているため、最終的に、「物件明細書」を確認する必要があることには注意が必要です。
また、裁判所による競売不動産の現況調査は、売却手続に付される何か月も前に行られることが多く、上記で記載したように、所有者や所有者から借りた者(賃借人)は自由に使用することができるため、対象不動産の占有状況は変化する可能性があります。
→ 買受希望物件については、基本的に現場に行って、自分で、対象不動産の占有関係に変化がないかを確認する必要があると思います。
確認方法としては、
・対象不動産の使用者と話をする
・対象不動産の近隣の人に話を聞く 等
対象不動産の使用者の許可等があるなどの特別な事情がある場合は、物件の中を確認することができる可能性はあります。(許可等がない場合はできない)
◎占有状況が頻繁に変わるような物件は引渡命令等の強制執行によってもなかなか引き渡しを受けられないおそれがあるので、買受けの申出をしないようが無難といえるでしょう。

評価書

 

評価書とは、裁判所が任命した評価人(不動産鑑定士)が、競売の対象不動産の評価額及び評価の過程を記載した書面です。
競売不動産の評価にあたっては、一般の不動産市場と異なって、競売不動産の市場ならではの以下の特殊性を評価額に反映させる必要があり、評価額算出の過程の中で競売市場修正で減価しているのが普通となります。
①売主の協力が得られないのが常態であること
②原則として、事前に競売物件内に自由に立ち入ることができないこと
③買受申出の保証金が必要なこと
④代金を即納しなければならないこと     等
上記の特殊性を踏まえて評価額を算出し、その評価額に基づいて、執行裁判所が競売不動産の売却基準価額を決定します。
→ 評価額等が変更になり売却基準価額に変更が生じている場合もあるため、最新の売却の公告書の写しにより最新の売却基準価額を確認しておく必要があります。
また、評価書には、対象不動産の評価額とともに、対象不動産に関して、都市計画法、建築基準法などの不動産に関する公法上の規則についての記載もあります。
→ この記載内容により、対象不動産をどのように利用できるかがわかります。

物件明細書

 

物件明細書とは、現況調査報告書及び評価書に基づいて、賃借権等の競売対象不動産の負担となる権利、地上権、土地賃借権等の競売対象建物に付随する土地利用権、対象不動産の占有者等に関する裁判所の認識(判断)が記載されている書面です。
→ 物件明細書は、競売不動産を買った後に負担してしまう可能性がある権利についての記載があるので、一般の買受希望者が閲覧することができる資料の中で1番重要な書類です。
※ 買受人が代金を納付して所有権が移転するまでは、競売不動産の所有者のものであり、通常の用法に従って自由に使用または収益することができるため、競売不動産の占有状況等が変化する可能性はあります。
→ 必ず競売不動産の状況は、 ”現場” を見て確認する必要がある。

その他の資料
① 売却手続の公告書の写し
現況調査報告書、評価書及び物件明細書の3点セット以外の一般の買受希望者の閲覧資料については、売却手続の公告書があります。
→ 期間入札の場合には、期間入札の公告書の写しが綴られていて、これにより入札期間、開札期間、売却決定期日、売却基準価額、買受可能価額、買受申出保証金の額等の売却手続上の必要な情報がわかります。
② 競売ファイルをご覧になる方へ、競売ファイル・競売手続説明書
一般の買受希望者の閲覧資料の冒頭には、不動産の競売手続のあらましと閲覧資料について簡単に説明した概要説明書である、「競売ファイルをご覧になる方へ」というものが綴られています。
また、競売物件資料の閲覧場所には、それらの資料の内容の理解を助けるために、が備え置かれていて、買受希望者はそれを見ることができます。
この「競売ファイル・競売手続説明書」には、
期間入札公告の詳細説明、物件明細書の詳細説明、評価書の詳細説明、公法上の規制の詳細説明、引渡命令の詳細説明、農地売却の詳細説明があります。
これらによって、競売ファイルに綴られている閲覧資料の記載内容の理解を容易にして、閲覧資料である物件明細書、現況調査報告書及び評価書の3点セットを総合的に捉えて、競売物件の状況を理解することができます。

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